アプローチショットを考える 2
こんにちは前田です。
前回、アプローチは転がした方が寄るし入る確率も高くなることをお伝えしました。
今回はアプローチを寄せるための『キャリーとランの比率』についてお話ししていきます。
使うクラブによってキャリーとランの比率は変わります。
一般的に言われているのは、7番アイアンではキャリー2に対してランは8。もしくは3対7。例えばピンまで10ヤードのアプローチであれば、キャリーが2ヤード、ランが8ヤードでトータル10ヤードという計算になります。
PWでの比率はキャリー5対してランが5。5ヤード飛ばして5ヤード転がすということです。
SWであればキャリー8に対してランが2。もしくは7:3の比率です。
少し比率が変わるのは、クラブのロフトが異なるため(ロフトが56度のSWもあれば、60度のSWもあるため)。またグリーンの固さやグリーンの速さでも比率は変化します。
これはプレーヤー自身が何度も何度も同じ場所から練習して自分だけの比率を導き出さなければなりません。
たくさん練習して何となくクラブ毎の比率が感じ取れるようになると、次はマネージメントを覚えます。
例えばグリーン手前の花道からアプローチをする場合、殆どのケースで越えなければならないバンカーは無いはずです。
となるとSWのピッチショット(高く上げて止める)のチョイスはありません。
7番アイアンや8番アイアンを使ったチップショット(転がし)もしくはPWでのピッチandランで狙うのがセオリーです。
これは『越えなければならないような障害物が無い時はSWを持つ意味がない』ということです。
アプローチはカッコよくスピンで止める方法ではなく、なるべく簡単な方法で寄せることを最優先させます。
これは『何度打っても同じ結果になる』ような確率のショットであれば『心の負担』をも減らすことができるからです。
上級者の中でもトップレベルになればなるほど確率の高いチップショットを選択します。どんな所からでも『SWでスピンで止める!』と考えるようではまだまだだということです。
ロングゲームでのミスはショートゲームで補えますが…ショートゲームでのミスはそのままスコアに直結します。
普段の練習では、SWでフェースを開いてスピンで止めるようなアプローチの練習をしているツアープロであっても、大会最終日の優勝争いの中ではSWは使いません。
プレッシャー下では、SWで寄せることが難しいからです。
なるべくチップショットを選択し、やさしくパーを取りにいきます。
毎日毎日何百球も練習しているツアープロでもです。
これで、ただでさえ圧力がかかるショートゲームで、確率の低い難しいショットを選ぶことがいかに無意味かお分り頂けたと思います。
ラウンドの予定のある方はいつもより1時間早くコースに着くようにして『芝の上』でアプローチ練習してみてください。
パター巧者であってもパターが入らない日はありますが、アプローチ巧者はアプローチが寄らない日はありません。
いつも寄せられます。
それはアプローチの技術は裏切らないからです。
アプローチはやればやるほど上手くなります。
本当です。